こんにちはマリちゃんです(まりちゃん@ドイツ在住美容師ブロガー)
さてさて私は長いこと日本で美容師をやっていましたが
仕事をしてればいいことも悪いこともたくさんありますよね。
会社がすごいブラックとか、残業が今月50時間とか、ボーナスカットされたとか、たくさんお客様から体験話をいただきました。
そんな自分がこの世で一番不幸なワークマンだと思ってる皆様の元気の鉈になるような
私の美容師見習い時期のスーパーブラック話を書こうと思います。
Contents
美容師たるものブラックが当たり前だと思ってた
美容学校の根底の話
美容師になるためには国家資格の免許が入ります(以下美容免許)
その美容免許を得るためには美容学校に行かなくてはなりません(看護師さんと一緒)
- 普通科で2年
- 通信、夜間で3年
国で定めらてている法律なので仕方ありませんね。
さて私は今では珍しい高卒美容師です。
高卒美容師とは『高校を卒業して美容室で働きながら通信or夜間で免許を取る』っという、いわば『通常の美容専門学校に行けない(行かない)で美容師免許を取る苦学生』でした。
なんで働きながら学校通うの?大変じゃん?とか通信ってあるの?とか家が貧乏?とかいろんなご意見があると思いますが、私は働きながら資格を取るのが一番効率がいいと思ったからこの方法を選びました。
しかも自分で学費を捻出ということもあり、サロンと提携の美容学校の通信かは入らずに、自分でインターネットで検索して『近くて安い美容学校の通信科』を探して入学しました。
確か記憶では学費が3年間で90万くらい。
ピンと来ない方も多いかもしれませんが、通常の美容専門学校は1年で200万くらい学費がします。私立の大学並みです。
美容学校は主にウィック代や材料費がかかるのでどこも高いのですが正直ぼったくりだと思います。
材料費と教材費でもこんなにかからないよって若いのに思っていました。
しかしゆっくり親のお金で遊びたいなら全然OKですし、お友達や仲間との思いでも作れる。派手なヘアショーとか研修という名の『海外旅行』も付きますので賛否両論かな?
大切なのはなぜ美容学校に行くのか。
- 美容師免許をとってアイリストや美容、理容師になるため
- 美容学校でおしゃれしてスナップされたい
- 美容学校でヘアショーをしてみたい
- 美容の知識を学びたい、ナドナド。
私は経験者がたくさんいるこの業界で(同僚は元美容学校の先生)話すとみんな『美容師資格を得る』為なら通信で十分と言います。
普通科卒業の人より1年デビューが遅くなるけど、全然関係ありません。
現場で3年目の無資格者と学生上がりの1年目の有資格者だったら絶対に現場歴が長い方が有利です。
もちろんサロンや法改正などで状況は変わりますが、私の経験上は問題ありませんでした。
悩んでる方がいたら私は絶対通信で働きながらをおすすめします、しかし自分のなぜその学校に行くかをもう一度見つめ直してくださいね。時間もお金ももったいないから笑
そうはいっても美容師見習い時代は苦痛すぎて辛かった。
簡単な日本での美容師経歴
(見習い時基本給料は12万、道具代全部実費、月休み4日、正月休み2日、夏休み3日、毎日6時出勤25時帰宅)
美容師1年目、月に30日出勤
通信のために月4回、夏休み冬休みの貴重な休みを全てスクーリングに使います。美容師とは過酷だと感じながらも、何から始めていいかわからない私は先輩に怒られながら、注意されながらすくすく成長し過ぎ何より子供の頃からの夢『都会の美容室で働く』という夢が完全に叶い毎日充実でした。確かお給料は手取り12万くらい。シャンプーしまくってました。
美容師2年目、先輩になるも諦める、45日連続出勤の偉業を達成
新卒の後輩が入るも自分より有資格者のキャリアが上で、しかも器用で頭いい完全に完敗な後輩が入りもはや後輩に『これどうすればいい?』っと聞くプライド0の変わった2年目の先輩でした。今でも後輩大好きなんですよね。
美容師3年目、無論2年目の後輩に社内検定やらデビューを抜かされる
社内検定内容のブローやらカットやらを後輩にチェックしてもらうようになる(むしろ気を使わないで楽)。1年目の他の可愛い後輩からは『あの先輩何考えてるかわからない?』とお褒めの言葉をいただき自分でも先輩後輩はなんでもいいと思うようになる。この3年目の時期に同期にはいじめられ(バックルームで怒鳴り散らす男K)や(泣きながらまりちゃんばっかり先輩に注意されてずるいと発狂する女A)とか営業中オール無視をされる。
サロンの先輩にはお店の雰囲気が悪くなるからやめろと注意されるも、『いじめを受けてるのは自分なのでどうしようもないな』っと聞き流す。
しかし今度は先輩には顔が気に入らないと罵倒され、先輩スタイリストのアシスタントに着くも、パーマロットをお客様の前で投げられ犬のように拾いに行ったり、どうでもいいことでもう『信用しない』と言われアシスタントにつかせてもらえなかったりもはや先輩と同期と後輩にダブルサンドになった気分でした。
この時帰り道の肉屋の前で『地べたに寝転んで泣いたこと』を覚えています。
美容師4年目、無事国家資格合格
スタイリストデビューですが、いきなりデビューするもアシスタントの頃から見ていただいてるお客様のおかげで指名がなぜか多く、完全にお客様対お店側の意見対立になりました。お給料は上がるも、半分はウイック代でなくなりました。あとハサミ代。ちなみに一年目から出社は6時(朝練)帰宅は午前1時(営業後練習など)睡眠時間は3時間生活です。
これでも楽しかったから本当に好きなんだと思います。
美容師5年目なぜかトップスタイリスト
意味不明でした。自信はないし、そんなにうまくないけどなぜか新規再来の指名が老若男女問わず得られるタイプの技術者でした。
毎月指名でいらっしゃる要望が難しいお客様がいて、その時1年目の後輩に相談しました『私は毎回自信がない、あの客様のご要望の答えられるか毎回不安だ、やりたくない』っと
そしたら1年目の後輩が『あのお客様はまりちゃんさんにやってもらえるだけで満足するので大丈夫です』っと言われました。
私は一年目の後輩から本当に大切な『信頼』っという言葉を教えていただきました。キャリアは関係ない、むしろ後輩から学ぶことの方が多い気がします。お店では先輩には嫌われてたかもしれないけど私は結構好きでした、先輩も。
美容師6年目、海外に行きたくなります。
社内検定もお店の検定も数字もクリアしてる私は本社からくる予算に飽き飽きしてきます。むしろ来たい人が来ればいいという考え、でも先輩やオーナーがいうことは絶対の大日本帝国ようなサロン。そんなことも言えず悶々と考える日々でした。
夏休みは平日基本3日しかないので海外はいけず、フェスに行ったり国内旅行やひたすら寝るということに費やしました。。ちなみに社内検定(月1)とサロン検定20種目(月4)くらいあってそれをクリアしないと技術者には上がれません。
今思えば年間の休日数55日有るか無いか?のサロンでした。それはやばいなぁ。
美容師7年目、体を壊す。
ストレスで寝れなくなり、しかも過労で倒れます(3回くらい)耳も聞こえなくなり、満員電車や特急電車にも乗れなります。可愛い後輩もどんどん辞めていき、自分の不甲斐なさから自分のことをたくさん攻めるようになりました。
しかし休みはなく自分が辞めたら残ってる子の面倒は誰が見るんだと負のループでした。毎日無気力で死ぬことばかり考えていました。タトゥーを入れたのもこの時。
美容師8年目、育ててもらったサロンを退職
最終的にドクターストップです。
体重が38キロまで落ちて体が限界にきたようです。薬を飲まないとねれない体になり、診断書をもらいお世話になったサロンを辞めました。正直この頃は自分にとってどん底だと思っています。逃げるように辞めたサロンでしたが今でも連絡は取るくらい仲良しです。
悔しくて泣いてばかりいました、立てない、食べれない、そんな自分が悔しくてまだまだ頑張れたのにって思ってました。
ストレスを感じない人の方が厄介
ストレスって本当に怖いです。
私はあまり自分の愚痴を他人に言いませんし、寝たら忘れる人間です。むしろストレスって何?って思う人間です。
でも気が付いた時はドクターストップの拒食状態ですし、円形脱毛症も無数にできていました。
私は自分の夢で、自分が決めたことなのでこんなもんだろって考えていました。周りの友人や親族には『もう辞めなよ』とか『他のサロンもあるよ』とかいっぱいいろんなことを助言されました。
それでも私は『後輩がかわいそうだから辞めない』『お客様に悪いから辞めない』『先輩に迷惑がかかるから辞めない』そう言って体を壊すまで続けていました。不思議ですよね。全部周りの人のためです。
周りの人のために働くことが=自分への存在価値
間違ってます。
長いことブラック企業で働くと偏った自己肯定に繋がるんですね。ストレスは思考の病気に繋がります。
ストレスの原因になる事を理解する
私は自分がストレスの原因になる大きな2つを理解しています
- お金がない
- 時間はない
1がないと何もできません、欲しいものもかえずなぜ働いているかわかりません。選択肢も狭まります。
2も何もできません。この中では1番大切です。寝る時間、食べる時間、大切な人と過ごす時間全ては時間から始まり時間から終わります。
逆に言えばこの2つの確保ができれば、ストレスなく生活ができると考えます。
対人関係の処理
そもそも人間には他人を変える力はないのです。
AさんがムカつくとかBさんが嫌いだとか言ってもし方がありません。
苦手な対人関係で悩んだら『そもそも私は他人に興味ない』と思いましょう。自分にとってマイナスなことしかしない人はプラスになることはありません。距離を取るか、難しいなら『どうでもいい』っと相手の顔を見て思いましょう。たまに口に出してもいいと思います。
結構効きますよ。
後輩に助けてもらう
これは私の人生においてのポイントでもあります。
先輩がどうとか、キャリアとか経歴とか日本人好きですよね。全く無意味ですよ。
むしろ凝り固まった意見の上司より、柔らかい意見の新人の方が、接客業をしている人間なら参考になります。
新しいものを受け入れる器の大きい人になってください。
そしてそのプライド、本当にいるか考えてみてください。
辞めても人生が終わったわけじゃない
私は軍隊のようなサロン育ちで、子供だったので言われた言葉を全て表面からしか考えられませんでした。
自分自身を見失い退職へと繋がり、体を壊しました。
ネガティブに陥っている時、思考は全てマイナスに傾きます。
私は結局育ったサロンを退職して一度実家へ帰りましたが美容師を諦めたわけではありませんし、海外で働きたいと言う夢も捨てたわけではありません。
しかしこの考え方に気が付いたのは辞めてからです。
結果私には体を休める時間と落ち着いて向き合う時間がなかったんです。
きちんと自分がなぜこのような結果なったのかを考え、それを改善する方法はなんなのかを理解したからまた前を向くことができました。
不思議ですよね、働いているときはあんなに辞めたいって思ったのに、これがブラック企業の魔法です。
それでもまだ美容師を続ける理由
私は美容師が大好きですし、今ドイツでも美容師を続けています。
この記事を読んで『うわー美容師って超ブラックで最悪』とか『美容師のいじめがやばい』とか『逃げる』とか『辞める』とかを一番に伝えたいんじゃありませんからね。
一番大切なことは夢を諦めないこと。
辛かったらやめればいい、逃げればいいという記事をたくさん拝見しますが、逃げるタイミングは人それぞれです。ましてや技術職は辛いこと(学ぶこと)から逃げたら技術は手につきません。
自分の夢を叶えるために『逃げ』より『休む』方が重要だと思います。
疲れたら一度休む。そして紅茶を飲んで自分がなぜその道を選んだのかを考えてください。別のサロンに移動してもいいですよ。大きな海が見える島に旅行に行ってもいい。
辞めるのと休むのは全く別ですからね。
アシスタントの方でこの記事を見てやめようか悩んでる方
『1年で〇〇万稼いだ』とか『〇〇をやめて夢が叶った』とか、うまい話なんていっぱいありますよね。
けど人が綺麗になって笑顔になる瞬間私たちはお金以上の充実感で胸がいっぱいになります。
その充実感を得る前に辞めてしまうのはとても悲しいいです。
辞める一度休んでください。
1つのことを続けられない人にその先の未来を語る資格はあるのでしょうか?
そして人を綺麗にする資格や権利を得たのに本当に捨てていいのでしょうか?
あなたはまだ美容師の10%位しか経験していませんよ。
※まとめ※
少しでも自分の働いている会社や環境に疑問があるのなら、ハローワークや周りの友人に相談してみましょう。
また技術職だと、どこも同じだろうと思うところもあるかもしれませんが、過度のパワハラや過度の残業やプライバシーに反するイジメは法律上違法行為です。
悩んでる方、自分を一番に考えてください。
夢に向かって頑張ることとブラック企業で働くことは全く別です。
どこのサロンも同じ?いえいえ全然違いますよ。
大丈夫、あなたに合ったサロン(職場)は絶対にあります。
私のブラック時代の体験をしても美容師を続けている理由は以上です。
みなさまが少しでも似ている体験をしているなら直ちに措置や対策を練ってくださいね。(体壊すから)
少しでもご参考になれば嬉しいです。